ご神徳・ご利益

枕の神社

日根神社の「春の祭礼」はおよそ500年前の鎌倉時代の古文書にも見ることができます。
この祭礼は幟に枕をつけて渡御したことから「まくら祭り」と呼ばれるようになりました。
もとは子宝を願う村の娘たちが枕を奉納したのが始まりですが、お祭りに奉納した枕は大変ご利益があるとされ、商売の縁起を担ぐ人や病気の平癒を願う人なども参加するようになりました。
最近では「枕」の恩恵にあやかろうと様々なご祈願の方々がお参りになられています。

当神社では、一日の安息の場所である寝室を守護し、安心してお休み頂けますよう祈願いたします。

斎庭の脇に祀られている「子授石」


縁結び・子授け

日根神社には夫婦の神様がお祀りされています。
この二神の子供達は兄弟で力を合わせ困難をのりこえて初めて日本の国を一つにまとめました。
やがて村の娘たちが「立派な子供が授かりますように」と願いを込めて枕を作り神社に奉納するようになりました。
こうして奉納された枕を背負って村の中を練り歩く「まくら祭り」が始まったのですが、昔は子供ができない若いお嫁さんが、奉納された枕を御守にしようと盗むことがあったそうです。


安産・子育て

日根神社の男の神様は「ウガヤフキアヘズノミコト」といいます。
この名前は “産屋の屋根が葺き終わらないうちに生まれたすばらしい男”という意味です。
女の神様は「タマヨリヒメ」といい、良縁・安産の神様として知られ、「ウガヤフキアヘズノミコト」の乳母でしたから子育ての神様としても有名です。
この夫婦の神様は4人の子宝にめぐまれ、子供たちはみんな立派に成長しました。
これにあやかって、安産や子供の成長を願う方がお参りされています。


安眠・健康

日根神社は“まくら”で有名な珍しい神社です。
もともと子授けや安産を願って奉納したものですが「枕=睡眠」ということから不眠でお悩みの方や病気の快復を願う方がお参りになられています。
最近では、コロナ禍による生活不安や環境の変化によって睡眠障害にお悩みの方も多く、仕事や育児のストレスで眠れないという方や、引っ越しや転勤で環境が変わって眠れないという方が増えておられるようです。



美容・恋愛・和歌

摂社の比売神社にお祀りされている衣通姫(ソトオリヒメ)は、本朝三美人の1人に数えられるほど大変美しい女性で、その美貌が衣服を通して光り輝くほどであったといわれています。
允恭天皇の寵愛を受け、天皇との“忍ぶ恋”の様子が日本書紀に記されています。
また、和歌にも秀で和歌三聖や和歌三神のひとりに数えられます。美人で名高い小野小町のことを紀貫之は「衣通姫のようだ」と評しています。


枕の語源

枕とは真座(ま・くら)あるいは魂蔵(たま・くら)が語源だといわれています。
真座というのは、真は神霊、座は神様がすわる場所のことをさし、神様をお招きするために頭を乗せる場所という意味があります。
また魂蔵には魂を納めるための蔵という意味があり、昔は人が眠っている間は魂が体から離れていると信じられており、体から抜け出た魂を入れる入れ物のことを魂蔵といいました。
そして寝ている間にさまよった魂が見てきたできごとが夢であるとされていました。
人の一生の半分は睡眠時間です。眠っている間に頭をあずける枕は昔からとても大切なものでした。